バッテリー式コンパクトBluetoothスピーカー「BECOOL」FORCE MEDIA社 / 「LBT-SPP50」ロジテック(エレコム)社

今回は、バッテリー式のコンパクトBluetoothスピーカー2機種をレビューしようと思う。
FORCE MEDIA(フォースメディア)社「BeCool」と、ロジテック(エレコム)社「LBT-MPSPP50WHRD」だ。
両スピーカー共に「iPhone5」とペアリングして音楽を聴いた。

まずは「BeCool」だ。
Bluetoothコンパクトスピーカー「BeCool」
スイッチをオンにすると、厳かな(ピアノ)メロディが流れる。
スマートフォンとペアリングすると、流暢な英語で「ユア デバイス イズ コネクテッド!」電源をオフにすると「グッバイ!」
一回外出して、誰もいない事務所に帰ってきたら、また「ユア デバイス イズ コネクテッド!」
ちなみにこの音声(女性)が結構大きいのだ。
何か「お帰り!」みたいな感じで、このスピーカーがちょっと人間チックに感じたが、スピーカーに話しかけられると何処かコソバユイ。

「BeCool」は正面から見るとスイッチ類が一切見当たらない。
Bluetoothコンパクトスピーカー「BeCool」
天板を触るとタッチ部にイルミネーションが浮き出てくるブラックアウトタッチセンサー(と言えばいいのだろうか?)を採用している。
機械式のハードウェアボタンが無く、触れるとイルミネーションが点灯する。
プリンターとかマウスとか、最近この手のタッチセンサーを採用したガジェットが増えている。
世の中からどんどんハードウェアキーが無くなっていく今日この頃だ。

今ふと思ったが「天空の城ラピュタ」に出てくる「天空の城の内部」も、ハードウェアキーが全く無く、オーナー(承継者)に反応して操作パネルが浮き出てくる仕組み?だった事を思い出した。
宮崎駿氏は、世の中のインターフェースがこんな風になる事を、あの当時にすでに予想していたのだろうか。

話を戻そう。
そんなラウンドされて、つるっとしたルックスもあり、また、触らない限りはブラックアウトされているので、パッと見るとスピーカーには見えないスタイルだ。前面に小さなLEDが光るので、電源のオンオフの確認は可能。まぁとにかく先鋭的なルックスを持つスピーカーなのは間違いない。

「BeCool」は、思った以上に筐体が重く、見た目から想像するとびっくりするぐらいに低音域が良く鳴る。
置いてあるテーブルがちゃんと振動するぐらいなので、置く所は固く頑丈な所を選んだ方が良いだろう。
スペックを見ると「サブウーファー」との記載があるので、見えない所にウーファーが装備されているようだ。
高音域が多少控えめな所はあるが、音の厚みもあり良くまとめられている音だと思う。
音質の総評は「聞き疲れのしない落ち着いた豊かな音」だ。

続いて「LBT-SPP50」だ。
先ほどの「BeCool」と打って変わって可愛らしいルックスと赤に青にと華やかなイルミネーションを持つ。
小型セパレートBTスピーカー「LBT-MPSPP50WHRD」
全体的にPOPで明るい印象だ。特にこのホワイト/レッドモデルのカラーリングは非常に華やかだと思う。
そして、セパレート型なので少し離して設置する事も出来る。スピーカーの間隔を広げるとステレオ感が良く出る。
右側スピーカーが「親機」になっているのだが、左側スピーカーつまり「子機」とケーブルで繋ぐとステレオになるし、繋がなければこの親機だけ(片側だけ)で音楽を聴くことも出来る。
また、左右のスピーカーの底面が磁石でくっつく様になっていて持ち運び時に便利だ。

尚、「LBT-SPP50」は今までのスピーカーと同じくハードウェアキーが装備されている。
小型セパレートBTスピーカー「LBT-MPSPP50WHRD」
筆者は、やはりハードウェアキーが分かりやすくて操作がし易いと感じる。

音質は、非常に軽く鳴るタイプのスピーカーだ。軽いと言っても悪い意味ではなく「軽やか」という意味だ。
高音域の軽やかさとステレオ感にとても好感が持てる。
音質の総評は「爽やかで明るい元気な音」だ。POPなどを聴くユーザーに良く合いそうだ。
20年物の「BOSE 101MM」で普段音楽を聞いているレトロな筆者だが、それでもこの「LBT-SPP50」のキャラクターは魅力的でアリだと思った。

「Bluetoothスピーカーなんて音が悪くて使えない」という様な考えをお持ちの方はいないだろうか?
そんな方にこそ、今回おすすめしている「今」のBleutoothスピーカーを視聴して頂く事をお勧めする。
両スピーカー共に、性格は全く違えど、ボーカルは艶っぽく、楽器の音にも違和感がない。今や、Bluetoothスピーカーでもここまでの音が出るのだ。

確かにペアリングには若干の手間が必要だし、再生中に曲が途切れたりする事が無いとは言えない。
でも、一昔前の様にペアリングするだけで四苦八苦する様な事はもはや無いし、音の途切れなども本当に極少になったと言える。
それよりも、この使用感だ。
音楽を聴いてる途中に再生しているスマートフォンでメールもブラウジングも出来るし、スマートフォンを持って隣のリビングに移動する事も出来る。
もし、電話がかかってくれば音楽は中断され、会話を邪魔される事も無く、そして通話が終わればまた何事もなかったかのように音楽がリスタートする。
(ちなみに「BeCool」はハンズフリーで通話も出来る。)
スマートフォンとペアリングしたBluetoothスピーカーは手元で選曲や音量調整などが行えて、まるでスマートフォンがリモコンのようになる。
なんて便利なのだろう。

現代の「ミュージックサーバー」は、カセットでもMDでもCDでも無く、そしてPCでも無く、もっと気軽に音楽を聴ける「スマートフォン」なのだと思う。
スマートフォンでダウンロードした曲を溜めているユーザーも多いと思う。
インターネットラジオや動画視聴サービスをもっと良い音で聴きたいというユーザーも居るだろう。
バッテリー式だから、アウトドアに持ち出して、曲のソースをみんなで持ち寄って音楽を流すとか。
もうシーンを想定し切れないぐらい、多彩な使い方が出来ると思う。
そもそもスマートフォン(もちろんiPhoneも)は、小さなPCの様な物なのだから、この辺の使い方はそれこそ自由自在だ。

今回この2製品に触って筆者が感じた事は、「スピーカーのニュースクール(Bluetoothスピーカー)」を、「オールドスクールスピーカー(有線スピーカー)」と同列に考えてはいけないという事だ。
ジャンルは全く違うが、携帯電話や無線LANがこれだけ世の中に普及している事を鑑みると、やはり無線には無限の可能性があるのではないかと思う。
Bluetoothは、これからもっともっと便利になっていくと期待したい。

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