桐島ローランド氏、大鶴義丹氏、そして「AHEAD」

池袋の駅前に行くと、桐島ローランド氏が選挙の演説をしている最中だった。
遠巻きに見ていただけだが、男性目線で見ても本当にカッコ良い方だ。
TVカメラが入っていたので、夜のニュースでその様子は放送されたのだろう。

ローランド氏と言えば、パリダカールに参戦(2輪部門)したり、フリーペーパー「AHEAD」の編集長だったりと、本業のカメラマンを超えた活動をされている方だ。
確か、パリダカールラリーもそこまでオフロードレースの経験が無い状態で参戦して、無事に完走した、と「AHEAD」に書いていた気がする。ある意味クレイジーを通り越した方なのかも。でもそのチャレンジャーっぷりは嫌いじゃない。

ちなみにローランド氏が一時期編集長をしていたフリーペーパー「AHEAD」。基本はバイク&カーだが、女性でも読める様なコンテンツを盛り込んだり、フリーペーパーにはあり得ないぐらい高い質の紙を採用した上質なフリーペーパーだ。

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ローランド氏が編集長をしていた時期は2006~2008年ぐらいだっただろうか。
その前からも雑誌のレベルは高かったが、ローランド氏が関わっていた「AHEAD」は、凄まじかった。
元からの質の高さに加えて、ローランド氏の絵(写真)や、ハイセンスなページ校正など、「これでフリーって儲かるのか?」と、下世話な心配をしてしまうぐらい、フリーペーパーの枠から突き抜けまくっていた。
大手企業の広告が何ページか入っていたので、実際はそこが収入源にはなっていただろう。ただ、その当時は、もう広告の価格破壊が始まっていたから、それだけでは運営を維持できるだけの収入源にはならなかったのではと想像する。
その想像が当たっていたのか当たっていなかったのかは分からないが、その後「AHEAD」はフリーペーパーではなくなってしまい、送料と定価が設定されてからはあまり世間で目にする事が無くなってしまった。
だが、当時、広報業をしていた筆者は多くの雑誌を見てきたが、その中でもかなり「異端の雑誌」だったと記憶している。

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その「AHEAD」だが、コンテンツの一つに大鶴義丹氏のコラム「Rolling Forties」が連載されていて、これがまた痛快なコラムだった。
(義丹氏はローランド氏と2輪やカメラのカテゴリーで深く繋がっていると聞く。)
義丹氏は、昔から2輪(4輪も)マニアで、2輪に狂っている(た)人間には必ず響くツボを突いた文章を書く方だ。
「ハッキリ言ってジャンキーでした!」と公言しているぐらいに、昔は2輪と4輪にドップリだった筆者だが、2輪の魅力を人に伝えるのは本当に難しい。
必死に向かい、おぼろげながらに分かり、それを伝えたいと思いはするけど、言葉にする事が出来ない「もどかしさ」みたいな物を、義丹氏がコラムでそれをさらっと代弁している、そんな爽快感というかスッキリ感が味わえる。
お会いした事はないが、誤解を恐れずに言えば彼はきっと「プロ」ではなく、永遠の「(ハイ)アマチュア」なのだろう。
アマチュア故にそのカテゴリーを生粋に好きでいられ続けるし、考え方が変に商売商売しくならない。

ローランド氏を見て昔を思い出した筆者は、もう一度この義丹氏のコラムが読みたくなり、ウェブを検索してみた。
Webで「AHEAD電子版」が販売されていて、驚いたことに義丹氏の連載はまだ続いていた。
「電子版立ち読み」でも義丹氏のコラムは読める。
義丹氏のこのコラムだけでも読む価値があると思うので、興味のある方は是非見て欲しい。